「全然違うでしょ?」

「自分の将来に有利な人を条件で選ぶって
いう点では、一緒だと思うけど。
そもそも、紹介や合コンじゃなくて、絆が
好きな奴に告ればいいだけじゃないの?」

「………いないもん。」

「それが問題なんだよ。
自分が大して好きでもない奴と付き合って
おいて、相手が自分の事をそんなに好きじゃ
なかったからって、絆に怒る権利ないだろ?」

そう言われると、ぐうの音も出ない。

「だって、どうやって好きになるの?
どういうのが好きって事なの?」

「げっ!
絆、そこから?
今時、中学生でもそこは分かるぜ?」

「うるさいな!!
ずっと音楽しかやってこなかったんだから、
しょうがないじゃない。」

「ふふっ」

結ちゃんが笑った。

「絆は、見た目だけじゃなくて、中身まで
お父さん似なのねぇ。
海翔に相談してごらん。
きっと、答えを知ってるから。」
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