「とても似合ってますよ。
鏡を見てきますか?」

そう微笑まれて、私は、

「はい!」

と答えた。すると、

「くくっ」

と桐生さんが笑いを零す。

私は訳が分からなくて首を傾げると、

「栗原さんは素直でかわいいですね。」

と言われた。

「それって、単純って言ってます?」

「そんな事、言ってませんよ。
ますます好きになったって言ってるんです。」

え?

そんな事を言われて、私は返す言葉も見つからなくて固まってしまった。

「くくっ」

また、桐生さんは笑う。

「栗原さん、顔、真っ赤ですよ。
栗原さんがかわいすぎて、友人では我慢
できなくなりそうです。」

桐生さんが、そんな恥ずかしい事ばかり言うから、私は、

「鏡、見てきます。」

と言って、その場を逃げ出した。


どうしよう。

もう恥ずかしくて、桐生さんの顔なんて見られないよ。

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