トイレ傍のパウダールームで鏡を見ると、鎖骨の間に下がった雫型のチャームの中心で一粒ダイヤがゆらゆらとスウィングしており、キラキラとまばゆい光を放っていた。

綺麗…

この後、帰りにコートやマフラーで隠すのがもったいなくなる。

こんな素敵なプレゼントを貰って、何をお返ししたらいいんだろう。

とりあえず、ここの支払いは私が出そう!

そう決意して、ついでに軽くメイクを直す。

口紅を持つ左手には、仁くんからの指輪が煌めいていた。

まるで、2人で揃えたかのようなアクセサリー。

両方つけてても喧嘩しないどころか、相乗効果でお互いを更に素敵に見せてくれてる。

私、両方つけてていいのかな…

でも、どっちも選べないし…



今、桐生さんのネックレスを外すのは失礼だと思うし、仁くんのリングも外したくないし。
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