その後、章吾さんは、私を家まで送ってくれて、そのまま帰るのかと思ったら、なぜか玄関のチャイムを鳴らした。

「え?」

私が戸惑っていると、インターフォンに結ちゃんが出た。

「はい。」

「夜分遅くに申し訳ありません。
経理部の桐生と申します。」

「え? あ、はい。
今、開けますね。」

結ちゃんが玄関を開ける。

その後ろには、怪訝そうな顔をした天くん。

「夜分遅くに申し訳ありません。
経理部で主任を務めてます桐生章吾と
申します。
今まで絆さんと一緒にいたので、
送って参りました。
先日、絆さんに結婚を前提としてお付き合いを
申し込みまして、とりあえず、友人からという
お返事をいただきました。
この先、絆さんに生涯の伴侶として選んで
いただけるように努力して参りますので、
よろしくご承知おきください。」
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