私はそのまま、お風呂に逃げ込んだ。

ゆっくり湯船に浸かって、改めて考える。

章吾さんに「結婚を前提として」って言われて、友人としてならって了承しておきながら、仁くんからもプロポーズされて…
でも、返事もしてなくて…

これって、二股なの?

でも、プロポーズされるのは、不可抗力だよね?

章吾さんだって、まだ友人なわけだし、ちゃんと付き合ってる恋人でもないし…

あ、その恋人でもない人からネックレスをもらっちゃったから、天くんは怒ってるのかな?

だって、あの状況で返せないでしょ。

申し訳ないと思いつつも、ちょっと嬉しかったし。

それとも、章吾さんに結婚を前提としてって言われてるのに、仁くんの指輪を貰ったのがいけなかったの?

だって、仁くんに好きって言われて、嬉しかったし。

28年の人生でただ1人愛した人…なんて言われて、素敵な曲まで作ってくれて、舞い上がったし。

指輪、仁くんがつけてくれないのが寂しいのに、それでも自分でつけたくなっちゃうくらい、嬉しかったんだもん。
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