「でも、その章吾っての、根性あるよね。
父さんに正面きって挨拶してったんでしょ?」

と晃くん。

「それは、俺も思った。
今までの出世目当ての奴って、大体、父さんに
玉砕していなくなってたじゃん。」

星くんがそう言うと、陽くんは、

「見てみたいなぁ、そいつ。」

と言った。

「章吾さん、うちに来たいって言ってたよ。
結ちゃん、いいかなぁ?」

私が聞くと、それまで黙ってた結ちゃんが口を開いた。

「うちに来て、どうするの?
結婚の挨拶?」

「まさか。
章吾さん、吹奏楽やっててね、サックス
吹くんだって。
だから、私のピアノとセッションしたいって
言ってくれて。」

「なんだ、そいつも音楽男子か。」

陽くんが口を挟む。

「いいでしょ?
趣味が合うって、大事な事じゃない?
結ちゃんと天くんも趣味が合うでしょ?」

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