夜が明けて、元日は隣町にあるお父さんの実家へ行き、祖父母たちと近所の寺社に初詣に出かけた。

2日は浜松のお母さんの実家へ行き、結ちゃんたちと再会した。

そこでお母さんと結ちゃんがひそひそ話してて、きっと私の事だって分かってたけど、私は気付かないふりをした。

そして、その夜、名古屋に帰る車中で、私のスマホが鳴った。

メッセージの着信。

……… 仁くん

私はメッセージを開いた。

『今、新幹線に乗った。
絆、今夜、出られそう?』

仁くん!!

「ねぇ、お父さん!」

「ん?」

「お願い! 私だけ、名古屋駅で降ろして。」

「は?」

「仁くんが今、新幹線に乗ったって。
だから、お願い! 名古屋駅で降ろして。」

そこでお母さんが口を挟む。

「絆、少し落ち着きなさい。
ここから名古屋駅まで、あと1時間もあれば
着くわ。
仁くんは、今、新幹線に乗ったんでしょ?
絆の方が早く着きすぎるわよ?
それでもいいの?」


< 125 / 318 >

この作品をシェア

pagetop