「仁くんは、何で私が仁くんの事、好きだと
思ったの?」

「そんなの見てれば分かるよ。
俺に会うだけで、すっごく嬉しそうな顔して
くれたし。
電車で偶然会った絆のクラスメイトには、
ものすごくそっけなかったのに。
他にもいろいろ…ね。」

そうなの?

確かに仁くんが会いに来てくれる時は、嬉しくて前の日はあんまり寝られなかったけど。

「例えば。」

仁くんはそう言うと、私の手を握った。

な、何?

「ほら、すぐ真っ赤な顔するくせに、全然
嫌がらないし。」

仁くんは嬉しそうに微笑む。

え?
私、今、顔赤いの?

今までもずっと?

知らなかったよ。

恥ずかしい!!

私は、いたたまれなくて、顔を伏せた。

もう恥ずかしくて、仁くんが見られないよ。
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