初詣
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初詣

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「仁くん、いい子ね。
絆の事をちゃんと大切に想ってくれてる。」

家に入ると、母が言った。

「………うん。」

「絆は、何を迷ってるの?」

「………別に、迷ってなんか。」

私は、話を早々に切り上げて、お風呂へ逃げた。



最近、私、いつもこうだなぁ。

だけど、お風呂で1人になると、思い出されるのは、仁くんの事ばかりで…

私、今日、仁くんと…

思わず、そっと自分の唇に触れてみる。

どうしよう。

恥ずかしくて、明日、仁くんと顔を合わせられないよ。


それに、仁くんといると、それだけで嬉しくなって、全然結婚の話を断れない。

っていうか、今日は、仁くんに会ってから、仁くんがお母さんに挨拶するまで、プロポーズのことすっかり忘れてたし。
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