「友達が春休みで東京に戻ってるのを
いい事に、1人でその部屋を使わせて
もらって、毎日絆と遊び歩いてた。」

「うん。
春から同じ大学でずっとこうやって仁くんと
一緒にいられると思うと、すっごく
嬉しかったよ。」

「で、東京に戻って3日後に出たコンクールでは
散々な演奏しかできなかった。」

「え!? あの時、コンクール控えてたの!?」

「うん。
俺は、あの時、絆が好きすぎて、絆と少しでも
一緒にいたくて、全部を放り投げたんだ。
で、親からも教授からも散々怒られ、絆から
離れてピアノ漬けにするために、フランスの
祖父母の所へ送られた。」

それって…

「じゃあ、仁くんが留学したのって、
私のせい?」

どうしよう!?

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