仁くん…

だけど…

「あのね、私ね、今、他の人から、結婚を
前提にって言われて、とりあえず、友人から
ってお返事してあるの。
それ、ちゃんと断ってから、
返事してもいい?」

途端に、仁くんの顔色が曇った。

「それ、誰?」

「ん…えっと…桐生さんって言って…」

「あいつか!」

え?
仁くん、覚えてるの?

「仁くん?」

「俺もついてく。断る時。」

「え!?
それは、ダメだよ!
桐生さんに失礼だもん。
ちゃんと、クリスマスにもらったプレゼントも
返して、断って来るから。」

「絆、クリスマスにそいつに会ったの?」

「………うん。」

「なんで?」

「なんでって、話があるって言われたから…」

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