きた!
きっと聞かれると思ってた。

「明日は、家族とちょっと…」

本当は何の予定もないけど、休みの日にわざわざ会って断るのもためらわれて、ごまかした。

「明後日、明々後日はどうですか?」

「………ごめんなさい。
明後日は、弟の試合があって観に行く約束を
してるんです。」

これは、本当。
陽くんの試合の応援に行く予定だ。

「明々後日は、家族でテニスの約束があって…
本当にごめんなさい。」

これも本当。
ただ小川家のテニスは、みんな本気でやるから、ものすごく疲れるし、できればやりたくないんだけど。

「いえ、先約があるのは、仕方ありませんよ。
じゃあ、また来週、一緒にジャズバーに行って
いただけますか?」

「はい。」

その時、ネックレスを返して断ろう。

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