絆
仁くんにそう言われて、私は、ゆっくりと仁くんの方を向く。

「俺のせいで真っ赤になってる絆、かわいい。
絆の心、もっともっと、俺でいっぱいにして？」

仁くんがそんな事を言うから、私は恥ずかしくて、仁くんの首元に顔を埋めて隠した。

仁くんの膝に乗った私は、仁くんより、僅かに背が高い。

「絆？」

仁くんは、私の頭を撫でて、そのまま優しく仁くんの首元から、顔を上げさせる。

至近距離で仁くんと目が合う。

仁くんは、その大きな手を私の頬に添えると、少し背筋を伸ばして、そっと口づけた。

仁くんの手は、そのままするりとうなじに回され、しっかりと頭を固定される。

仁くんの舌が、私の唇をなぞる。

何？

私が戸惑っていると、仁くんが角度を変えた事で生まれた唇の隙間から、するりと仁くんの舌が入り込んできた。

舌を絡められ、自分でも無意識のうちに、声とも言えない声が漏れる。
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