「お待たせしました。どうぞ。」

とコーヒーをテーブルに置く。

置きながら、

「ちなみにこの部屋には、電話1本で、
コーヒーは届きますけどね。
有意義な時間を過ごせましたか?」

といたずらっぽい笑みを浮かべた。

「おかげさまで。
山崎さん、ありがとう。」

仁くんもニヤリと笑う。

仁くん、知ってて山崎さんを行かせたんだ。

私だけ、いっぱいいっぱいだなんて、ずるいよ。

すると、仁くんが言った。

「絆、拗ねるなよ。
かわいくて、困るじゃん。」

ボッ
今、顔が燃えた気がする。

そんな事、他の人がいる前で言わないでよ。


それから、しばらくして、飛行機への搭乗時刻となり、私は初めてファーストクラスに乗った。

見るもの全てが新鮮で、北海道まであっという間だった。
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