ちゃんと…
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ちゃんと…

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コンサート会場に着き、リハが始まる。

私は、全て空席の客席に座り、仁くんのコンサートを独り占めしてるような気分になる。

今日だけは、思いっきり楽しもう。

仁くんとの思い出を作ろう。

2時間のリハを終えて、スタッフの皆さんから、
「お疲れ様でしたー!」
「本番もよろしくお願いしまーす!」
と声が掛かる。

仁くんも
「ありがとうございました。
本番もよろしくお願いします。」
と挨拶を返す。

その後、仁くんは、ステージから私を呼ぶ。

「絆、なんか弾いて。」

仁くんが私を「絆」と呼んだ瞬間にスタッフ全員の視線が私に集まる。

そうだ。
曲のタイトルが『絆』だもん。
みんな私の事だって思うよね。

途端にまた恥ずかしくなる。

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