翌朝10時。

玄関のチャイムが鳴る。

今朝は天くんがいないから、ラッキーって思ってたのに、玄関でランニング帰りの天くんと鉢合わせた。

「おはようございます。
本部長。」

「なんで、お前がここにいるんだ?」

「絆さんのお誕生日会をしようと思いまして、
お迎えにあがりました。」

「絆は、お前の申し出を断ったって言ってた
けど。」

「はい。きっぱりと。
なので、今日は友人としてお祝いに来ました。」

にこやかな章吾さんに対して、不機嫌な天くんだけど、返す言葉がないらしい。

「絆は、仁が好きなんじゃないのか?
他の男と出掛けたって知ったら、仁が妬くぞ。」

天くんの矛先が私に向いた。

「ん、あのね、それは…」

私が言い淀んでると、章吾さんがフォローしてくれる。

「絆さんは、春山さんもお断りになった
そうですよ。」

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