「でも、章吾さん、吹奏楽部ですよね?」

「あれ? 知らないんですか?
吹奏楽部男子は、事ある毎にビブラフォン
とかティンパニとか運ばされるんですよ?
それに、大学ではテニスやってましたから。
お望みなら、絆さん、お姫様抱っこ
しましょうか?」

私は、慌てて頭をブンブンと横に振る。

それは、恥ずかしすぎる。

「くくっ
冗談ですよ。
ま、いつかそういうシチュエーションになる
時があれば、喜んでしますから、覚えておいて
くださいね。」

そういうシチュエーションって…

「章吾さん、テニスするなら、小川家の
テニス大会にご招待しますよ?
ものすごく、きつくて、大変なんですよ。」

私は話をすり替えた。

「いいんですか?
本部長のご機嫌が悪くなりそうですけど。」

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