「ふふっ
そうですね。
天くんはご機嫌が悪くなりそうですね。
でも、弟たちは、章吾さんに会いたがって
ますよ。」

「そうなんですか?」

「はい。
天くんと正面から戦った
初めての男性なので。」

「それは、光栄です。
では、ぜひ、機会がありましたら、
声を掛けてください。」


結局、私たちは、楽しくおしゃべりをしながら、散歩して、お茶をして、夕方には章吾さんが家に送り届けてくれた。

「本当は、もう少し一緒にいたいのですが、
今日は、家でもお祝いの準備をされてるかも
しれませんから。」

章吾さんの気配りには毎回感心させられる。

家の前で車を降りようとすると、
「絆さん!」
と、章吾さんに腕を掴まれた。

「あの、これ、ささやかですが、誕生日
プレゼントです。」

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