章吾さんが差し出したのは、小さな紙袋。

今日行った美術館のだ。

「あの、でも、クリスマスのもいただいた
ままになってますし…」

と私が断ろうとすると、

「大丈夫です。
今回のは、ガラス玉ですから。
遠慮なくもらってください。」

そう言われては、断りづらい。

「では、遠慮なく。
ありがとうございます。
でも、本当にこれっきりにしてくださいね。」

私は紙袋を受け取った。

章吾さんは、私と同時に車を降りると、また玄関のチャイムを鳴らす。

出てきたのは、天くん…と興味深々の男子3人。

「今日は、ご家族で過ごすべき日に絆さんを
連れ出して申し訳ありませんでした。
今後も、友人として、絆さんとは仲良く
させていただきたいと考えてますので、
よろしくお願いします。」

章吾さんは、また折り目正しくお辞儀する。

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