そこへエプロンで手を拭きながら結ちゃんが現れた。

「桐生くん、こんばんは。
よかったら、晩ご飯、一緒にどう?」

結ちゃんが誘う。

「いえ、今日はご家族水入らずの方がいいと
思いますので、また次の機会によろしく
お願いします。」

章吾さんは、人の良さそうな微笑みを浮かべる。

「そう?
じゃ、また今度ね。
今日は、絆を連れ出してくれてありがとう。」

「いえ、では、失礼します。」

章吾さんは、一礼して帰っていった。

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