私は、お礼にピアノを弾く。

グリーグ第7集62-2『感謝』

そのタイトルの通り、感謝の気持ちを込めて演奏する。

演奏を終えると、陽くんが言う。

「絆は、会社勤めより、ピアノを弾いてる方が
性に合ってるんじゃないか?」

「性に合ってても、ピアノじゃ食べて
いけないから。」

私が苦笑いを零すと、

「なんで?
そんなのやってみなきゃ、分かんないじゃん。
俺だって、バスケで食べてけるかなんて、
分かんなかったよ。
でも、好きな事だから、諦めたくなかった
だけで。」

「うん、諦めなかった陽くんはすごいと思う。
でも、私の1番の夢は、ピアニストじゃ
ないもの。」

私がそう言うと、みんなが驚いた顔をする。

「えっ?
じゃあ、絆の1番の夢って何?」

と晃くん。

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