「まぁ、人にもよるけど、少なくとも、大切な
人ができて、結婚や出産を考えるように
なったら、ほとんどの女性が悩む事だわ。
絆の場合、それが早いだけで。」

結ちゃんが言う。

「だから、あなた達も、大切な人ができたら、
ちゃんと相手の仕事とか立場とか思いやって
あげなきゃダメよ。」

陽くんと星くんが顔を見合わせる。

それを見て、天くんが口を開いた。

「分かってるか?
お前らだって、母さんの犠牲の上で
育ってるんだぞ。」

「え?」

と晃くん。

「当たり前だろ?
俺と母さんは同期入社なのに、こんなに
役職が違うのは、お前らのために何年も産休・
育休を取り続けたからだぞ。」

「ふふっ
いいのよ、それは。
私はそうしたくて、そうしたんだから。
でも、あなた達の大切な人は違うかも
しれないわ。
そこは、ちゃんと思いやって、相談するのよ?」

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