絆
「えっと…
会社の忘年会の時に、私の演奏を褒めて
くれて、結婚を前提にって交際を
申し込まれて、1度は断ったんだけど、
仁くんも断った事を洩らしたら、友人として
って言ってそばにいてくれて…」
「つまり、桐生が弱ってる絆に付け込んでる
って事だな。」
「え?」
私が驚いて顔を上げると、海翔くんは、
「はぁ…」
と呆れたようにため息を漏らした。
「絆、そんな状況で、桐生が純粋に親切心で
お前に接してると思ってたのか?」
私は首を横に振る。
「さすがにそれはないよ。
でも、話を聞いてくれて、相談に乗って
くれて…
気を紛らわせてくれるから、つい甘えて…」
「桐生はそうやって、お前の気を紛らわせて、
お前が仁を忘れるのを虎視眈々と
狙ってるんだよ。
あいつは、お前が思ってるより、ずっと
クレバーな男だぞ。」
会社の忘年会の時に、私の演奏を褒めて
くれて、結婚を前提にって交際を
申し込まれて、1度は断ったんだけど、
仁くんも断った事を洩らしたら、友人として
って言ってそばにいてくれて…」
「つまり、桐生が弱ってる絆に付け込んでる
って事だな。」
「え?」
私が驚いて顔を上げると、海翔くんは、
「はぁ…」
と呆れたようにため息を漏らした。
「絆、そんな状況で、桐生が純粋に親切心で
お前に接してると思ってたのか?」
私は首を横に振る。
「さすがにそれはないよ。
でも、話を聞いてくれて、相談に乗って
くれて…
気を紛らわせてくれるから、つい甘えて…」
「桐生はそうやって、お前の気を紛らわせて、
お前が仁を忘れるのを虎視眈々と
狙ってるんだよ。
あいつは、お前が思ってるより、ずっと
クレバーな男だぞ。」