海翔くんは、一瞬、奈々ちゃんを見つめる。

「それでも、だからこそ、奈々に出会えたし、
睦海や優奈も生まれた。
絆を犠牲にしておいて、こんな事を言うのは
間違ってるかもしれないけど、俺は結と別れて
よかったと思ってる。
今だったら、もし奈々と遠距離になったと
しても、ちゃんと死ぬまで添い遂げられると
思うよ。」

海翔くん…

「絆ちゃん、結さんにも聞いてみたらええよ。
うち、男女の事は、どっちがいいも悪いも
あらへんと思うねん。
結さんには結さんの思いがあるやろし、
小川さんには小川さんの思いがあると思う。
いっぺん聞いてみ?
すっきりするかもしれへんで?」

「………うん。」


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