「仁くん、ほんとに私でいいの?」

「絆じゃなきゃ、ダメなんだ。
絆だけが俺を幸せにできるんだ。
だから、絆、俺のために結婚してください。」

仁くんが私の手を握る。

「………はい。」

私が答えると、仁くんはそのままぎゅっと私を抱きしめた。

「もう、絶対離さないからな。
絆は一生、俺のものだ。」

「仁くん、大好きだよ。
世界中で仁くんだけを愛してる。」

私がそう言うと、仁くんが固まった。

「絆、ずるい。」

「え? 何が?」

「そんな事言われたら、今夜帰したく
なくなるじゃん。」

「え?」

「さっき、ロビーで星に会ったよ。
俺は絆を帰したくないのに、無理矢理、
星に連れて帰られるんだろ?
俺のこの想いはどうすればいいの。」

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