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その後、私は仁くんの楽屋でしばらく待った後、会場裏手からタクシーに乗った。

タクシーに乗る前、フラッシュが光った。

すると、仁くんが私だけタクシーに乗せて記者の方に歩み寄る。

仁くんは少し話して戻ってきた。

仁くんが行き先を告げてタクシーが走り出す。

「仁くん、何、話してたの?」

「ん? 今度、特別に取材受けるから、
その写真は載せないでって言ってきた。」

「え?」

「『取材拒否中の話題のピアニスト、
独占インタビュー』
価値があると思わない?」

まぁ、確かに。



ホテルのロータリーで降ろされた私たちは、フロントに向かう。

仁くんが手続きを済ませ、向かったのはやっぱりスイートルーム。

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