俺は親父に相談した。

親父は、
「それが分からないなんて、偉そうな
顔してても、お前もまだ子供だな。」
と笑った。

は?
どういう意味だ?

親父は、俺の頭をポンポンと叩いて、
「お前は、他の奴とは違う、特別って
事だよ。」
と言った。

特別?

それっていい意味なのか?


よく分からないながらも、大学生になった俺は、長期休暇の度に絆の住む名古屋へ通うようになった。

絆は俺が会いに行くと、とても嬉しそうに満面の笑みで迎えてくれた。

俺は、絆といろいろな所へ出かける。

コンサートはもちろん、水族館、プラネタリウム、レジャー施設…

明らかにデートコースを回っているのに、絆はそれに気づきもしない。

手を繋げば、頬を染めて、されるがまま、手を引かれて歩く。

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