俺は100%の自信を持って、絆に言う。

「付き合って。」

なのに絆は…

「いいよ。どこに?」

はぁ…

だけど、俺は諦めない。

「絆、好きだよ。」

「うん。私も。」

あっけらかんと明るく答える。

いや、その好きじゃなくて…

どうして通じないんだ?

年に数回会うだけじゃダメなのか?

大学2年の冬、推薦でうちの大学に合格したという絆に会いに行った。

大学は冬休みだが、コンクールが控えていて、みんな必死に練習してるのは知っていた。

だけど、俺にとって、コンクールより絆の方が優先事項だ。

俺は友人の部屋を借りて、3週間ほど名古屋に居座った。

映画に行ったり、美術館に行ったり、たまには、絆の家でのんびりおしゃべりをしたり…

楽しい時は、あっという間に過ぎ、俺はコンクールに出場するため、一旦、東京に戻った。

< 295 / 318 >

この作品をシェア

pagetop