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私は、名古屋で栗原家の1人娘として、愛情いっぱい、大切に育てられた。

ところが、幸せな私の家族が普通の家族ではないと知らされたのは、中学1年生の時。

私が両親だと思ってきた人たちは、実の親じゃなかった。

私は、特別養子縁組みで長女として迎えられた養女だった。

実の母は、叔母だと思っていた母の妹の結ちゃん。

じゃあ、実の父はその夫の天くんだと思ったら、そうじゃなかった。

実の父は年に数回遊びに来る母の友人の海翔(かいと)くんだった。


つまり、叔母だと思ってた結ちゃんは実の母で、叔父だと思ってた天くんは実の母の夫だから義理の父ということになり、たまに遊びに来るおじさんの海翔くんが実の父で、その奥さんの奈々ちゃんは義理の母ということになるわけで…

私には、いったい何人親が存在するんだ!? という理解し難い状況に陥っている。

それだけなら、まだ良かったんだけど、私は東京の大学に進学する事になり、結ちゃん家に住む事になった。

母の家に下宿?
意味が分からない。

これって、日本語として、正しいの?
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