食事を終え、俺は話の流れで絆の手を握った。

恥ずかしがり屋の絆は、顔を真っ赤にして俯いてしまう。

俺はそんな絆の顔を見たくて、顎に指を添えて上を向かせる。

絆は、困ったように目を彷徨わせ、目を閉じる。

俺は高鳴る鼓動を感じながら、絆に口づけた。

絆との初めてのキス…

驚いた絆が身じろぎをするのを感じたが、俺は逃さなかった。

俺が唇を離すと、そこには、真っ赤な顔でぎゅっと力一杯目を閉じる絆がいた。

くすっ
かわいい…

俺はそのまま絆を抱き寄せた。

俺は想いを伝える。

「絆、好きだよ。
もう離れたくない。」

「ん…」

絆は微かな返事を返した。

どうしよう。

俺の中の男としての欲望が頭をもたげる。

いや、ダメだ。

今は、まだその時じゃない。

俺は、理性で抑えが効くうちに、絆を家に送り届けた。

そして、絆のご両親に挨拶をする。

3ヶ月後、絆を連れて海外に行くんだ。

俺の真剣な想いを伝えておかなければ、ご両親も許してはくれないだろう。
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