翌日、俺たちは仲良く初詣に行き、ホテルでピアノを弾いた。

『絆』を聴いてまた涙する絆に、俺は改めて想いを伝える。

俺は焦り過ぎてた。

結婚は後でもいい。

とりあえず、付き合おう。

絆が結婚に躊躇してる間に、知らない奴と付き合ったりするのは、我慢できない。

なのに…

「あのね、私ね、今、他の人から、結婚を
前提にって言われて、とりあえず、友人から
ってお返事してあるの。
それ、ちゃんと断ってから、
返事してもいい?」

はぁ!?

誰だよ、それ!?

そいつは、桐生とかいう忘年会の時のナンパ野郎だった。

思った通り、ただのナンパじゃなかったか。

俺は、絆に言い寄る男がいるのが許せなくて、いろいろ醜い感情を絆にぶつけてしまった。

俺が自己嫌悪に陥っていると、それでも、絆は、それも嬉しいって言ってくれた。

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