だから、俺たちは通じ合ってると思ってた。

このまま、幸せな未来へ2人で歩んで行けると信じてた。

それなのに…

その夜、ホテルで絆に別れを切り出された。

絆は、俺を好きだという。

だけど、俺とは結婚できない。

なのに、結婚はしたい。

俺が好きなのに、俺じゃない誰かと結婚するって、なんで!?

意味が分からない。

その上、初めてを俺と…って、俺を何だと思ってるんだ。

俺は絆が好きで、絆だけが好きで、永遠に絆といたくて…

初めても、真ん中も、最後も絆がいいのに、なんで初めてだけって言うんだ!?

だけど、俺には絆の願いを拒む事なんて出来なくて…

俺は初めて、絆の全部に触れた。

本当なら、幸せでいっぱいの夜になるはずだった。

幸せな気持ちで絆に触れるはずだった。

絆の柔らかくて滑らかな肌に触れてるのに、心が張り裂けそうなんて…

俺は零れる涙を止められないまま、絆を求めた。

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