「お前、親として、娘に言わなきゃ
いけない事があるんじゃないか?
お前らは、きっかけは遠距離だったかも
しれないけど、乗り越える努力を怠った
だけだろ。
栗原は、それを知る権利があるんじゃないか?
それを知らないと、栗原も将来、お前ら
みたいな失敗をするぞ。」

「教えてくれてありがとう。
今夜、絆と話してみるよ。」

「ああ、頼んだ。」

「だけど…」

「なんだ?」

「このまま、2人がうまくいったら、
俺たち親戚だぞ?
気持ち悪くないか?」

「お前がそれを言うなよ。」

俺たちは、お互いに苦笑いを零した。


その同じ日、俺は俺なりに、息子を叱咤激励する。


週が明けて、専務が、

「話したよ。
絆もそれなりに納得したと思う。」

と連絡してきた。


< 312 / 318 >

この作品をシェア

pagetop