教会の大きな扉が開いた。

私は、今から、お父さんとバージンロードを歩く。

仁くんに向かって。

一歩、また一歩。

くすっ
早いよ。天くん。

すでに目を真っ赤にした天くんに笑ってしまった。

私は、今までたくさんの愛情を注ぎ続けてくれた人たちの前を通り過ぎ、仁くんのもとへ歩いていく。

お父さんから、仁くんへ。

私は大好きな仁くんの腕を取る。

一生、この腕に支えられて、この腕を支えて、生きていくんだ。

仁くん

正直、まだフランス語はさっぱり分からない。

だから、神父さんが何を言ってるのか、どうすればいいのかも、さっぱり分からない。

それでも、仁くんがこっそり教えてくれる。

仁くんは、私の道しるべ。

私はいつでも、仁くんに向かって歩いていくね。

この先、どんな事があっても、私は仁くんを信じて生きていく。


仁くん、大好き!!


─── Fin. ───

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