スプレーで軽く髪を湿らせて、結ちゃんはコテで私の髪を巻いていく。

サイドから編み込んでふんわりとしたハーフアップに仕上げていく。

仕上げにスワロフスキーのピンと白い花のコサージュを飾る。

「ふふっ
出来上がり。」

「ありがとう、結ちゃん。」

「どう致しまして。
ほんとは、小学生の絆の髪を毎日、結って
あげたかったんだけど、してあげられなくて
ごめんね。」

「そんなの…
結ちゃん、気にしないで。
私、すっごく幸せだよ。
子供の頃は、お母さんがちゃんと髪も結んで
くれたし、今は、結ちゃんがこうして
かわいくしてくれる。
考えてもみてよ。
お母さんが3人、お父さんが3人いて、その
全員からかわいがってもらえるのって、
日本中探しても、私くらいだと思うよ。」
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