そんな話を結ちゃんとしてたら、ノックの音がした。

「はい!」

私が返事をすると、ドアが開いて、仁くんが現れた。

仁くんも着替えてた。

光沢のある黒のタキシード。

クウォーターだからかな?

すっごく似合ってカッコいい。

私が思わず見惚れてると、

「絆、綺麗だ。
想像以上だよ。」

仁くんはそう言って、私の所へ歩み寄り、気付くと抱きしめられていた。

え? あ…えっと…

どうしよう?

私はなすすべもなく、仁くんにされるがまま。

なんで?

仁くんは、どうしちゃったの?

今まで、仁くんにこんな事、された事ない。


そうか!

仁くん、外国暮らしが長かったから、これが挨拶として染み付いちゃったんだ。

アブナイ、アブナイ。

危うく、勘違いするところだったよ。
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