すると、仁くんは立ち上がって、私の隣に座った。

「絆、がんばったな。」

仁くんが私の頭を撫でてくれる。


私は、普段、こんな風に甘やかされたり、女の子扱いされたりする事はほとんどない。

家では見上げるほど大きな男性に囲まれてるけど、身長170㎝の私は、世の男性の半分と肩が並んでしまうからかもしれない。

仁くんは、小川家男子ほど大きくはないけど、私が見上げる程度には大きい。

多分、海翔くんぐらい。


だから、仁くんの隣はとても居心地がいい。

まあ、私が中学生の頃から知ってる仁くんだから、女の子扱いというより、子供扱いなんだろうけど。


「仁くんは、なんで日本にいるの?
クリスマス休暇?」

私が聞くと、

「くくっ
それはないな。
そうだ。絆、これやる。」

そう言って仁くんは、タキシードの内ポケットから封筒を取り出した。
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