今にも親子喧嘩に発展しそうな私の前に結ちゃんが立った。

「いい加減にしなさい。
あなた達がそんなんだから、絆に悪い
虫どころか、いい虫も付かないんじゃない。
だいたい、会社の公の場で、取締役が見せる
態度じゃないでしょ。」

海翔くんと天くんが息をのむ。

この会社で1番強いのは、結ちゃんかもしれない。

「仁くん、ごめんね。
この人たちの事は、気にしないで。
ただ、絆を傷付けるような事だけは
しないでね。」

結ちゃんが振り返って言うと、仁くんはにっこり笑って、

「もちろんです。
絆は、俺の宝物ですから。」

え!?
今、なんて?

………ああ! 陽くんや星くんと同じかぁ。

今、桐生さんと話してたから、肩を抱いたり、思わせぶりな事を言ったりして、邪魔しに来てるんだ。

もう! なんで私の周りはこんなに過保護なの!?

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