だけど、仁くんはなぜか私の控え室についてきて…

私が不思議に思ってると、仁くんが口を開いた。

「絆は、さっきの奴と知り合いなの?」

「さっきのって、桐生さん?
知らないよ。
っていうか、ただ単に、演奏を褒めてくれた
だけだよ。
ほんとにもう、なんで私の周りの男の人は、
寄ってたかって、ちょっとでも私に近付く
男性がいるとすぐに蹴散らしちゃうんだろ。
心配しすぎだよ。」

海翔くんも天くんも陽くんも星くんも、最近は20歳になった晃(こう)くんまで。

「……… 絆、明日、暇?」

「明日?
まあ、特に予定はないけど、何?」

「大学に挨拶に行くから、一緒に行かない?」

「大学?」

「うん。
俺たちが一緒に通うはずだった大学。」

「ふふっ
そう考えると、なんだか感慨深いね。
うん。いいよ。」
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