「じゃあ、明日、10時に迎えに行くよ。」

「うん。楽しみにしてるね。」

そこで、ドアがノックされた。

「はい。」

私が返事をすると、ドアが開いて、結ちゃんと天くんが現れた。

「あ、仁くん!」

結ちゃんが仁くんを見つけて、ドアの外に声を掛ける。

「春山さん! 仁くん、ここにいるよ。」

すると、天くんがスタスタと部屋に入ってきて、私のすぐ横に立つ。

「仁、何やってるんだ?」

「別に、何も。」

仁くんは平然と答える。

天くんは、私の方を向いて怖い顔で言った。

「絆、密室に男を入れるな!
危ないだろ。」

「天くん、だって、仁くんだよ?
危ない訳ないじゃない。」

「仁だって、男だよ。
油断するな。」

普段、私には甘々な天くんが、すっごく怒ってる。

なんで?
仁くんだよ?

「小川さん。」

仁くんが天くんに向き合う。

「小川さんが絆を大切にしてるのは、
分かります。
でも、俺も、絆が大切なんです。
絶対に絆を傷付けるような事はしません。
お約束しますから、
信用していただけませんか?」
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