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「天くん!
鈴木さんに、何言ったの!?」

私は天くんに詰め寄った。

「別に何も。」

私が怒ったところで、天くんのまったりとした空気感は、全く変わらない。

「何もな訳ないでしょ!
鈴木さんが、本部長に言われたって
言ってたもん。」

「俺じゃなくて、あいつが言ってきたんだよ。
『絆さんとお付き合いする事になりました。
末永く、よろしくお願いします。』って。」

「それのどこが、いけないのよ!?
恋人の親にちゃんと挨拶するなんて、
いい人じゃない。」

「本当に絆を愛してるならな。
だから、俺は、『どうぞ。』って言って
やったんだよ。

『どう聞いてるか知らないけど、絆は俺の子
じゃない。奥さんの元カレの子だよ。誰と
付き合おうと、誰と結婚しようと、俺とは
関係ないから、ご自由にどうぞ。』って。

そしたら、あいつうろたえ始めたから、

『ちなみに、専務には、奥さんとの間に
かわいい娘が2人いる。元カノとの間の子に
表立って愛情は掛け辛いだろうから、
そっちも気にしなくていいと思うぞ。』

って言ってやったら、逃げるように
去ってったよ。
あれは、明らかに出世の後押しを
狙ってたな。」
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