はぁ…

これは、天くんは悪くない。

どうぞって言われて、別れるなんて、聞いたことない。

「絆、お前、男見る目なさすぎ。」

天くんが呆れたように言う。

「しょうがないじゃん。
学生の頃から、陽(よう)くんと星(せい)くんに
邪魔されてちゃんと付き合った事
ないんだから。」

陽くんと星くんは、結ちゃんと天くんの子。

陽くんは私の2歳下、星くんは私の3歳下の男の子。

あと1人、私の6歳下に晃(こう)くんがいる。

つまり、3人は私の従兄弟で弟になる。

「ひっでぇ。
絆がモテないの、俺たちのせいにする気か?」

階段から足音とともに陽くんが現れた。

「どう考えても、あんた達のせいでしょ!?」

「俺、夜道は危ないから、迎えに行っただけ
じゃん。」

「195㎝の強面のイケメンが、そこにいる男子を
睨みつけた上に、私にだけ微笑んで肩を抱いて
連れて帰る行為のどこが邪魔してないって
言うの!?」
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