空色物語
旅行鞄
小さな旅行鞄に
詰め込んだのは
少しの思い出と涙
出てゆくと
決めたからには
前を向こうって
自分に言い聞かせる
取り残してきた
心の欠片を
拾いにいく勇気すら
残っていないんだ
臆病風に吹かれて
開きかけた心の扉
再び閉めて鍵をした
しばらく旅にでようか
独りが心地良かった
あの頃を思い出し
置き手紙は
今更 必要ないから
小さな鞄に
詰め込んだのは
貴方への溢れる想い
閉じ込めよう心の奥に…
土佐湾に
花を手向ければ
きっと 貴方がいつか
迎えに来てくれるから
来世で共に
歩めるように