空色物語
置き手紙
今日この部屋を
出て行くよ
此処に住みだして
スグの頃
何でもない場所で
躓き持ってた
珈琲カップの
中味が零れ
壁に染みを作った
箪笥を動かせば
そこだけ畳が綺麗で
時の流れを
感じさせた
まだ此処に未練も
名残もあるけど
想い出に
浸ったままじゃ
囚われたままじゃ
羽ばたけない
殺風景になった
この部屋を
出て行く前に
花を飾ろうか
麦藁菊
花言葉は
“永遠の思い出”