愛のない部屋
「彼女にも色々と合ってね。本当の友達というものに、まだ出会っていないようなんだ」
全てを食べ終えると声色が変わり、真剣になった。
「だから沙奈とは、仲良くしたいらしいよ」
「……私も」
「それじゃぁ、一緒に旅行しよう」
どうして話がまたそこに戻るかなぁ。
「それとこれとは別よ」
「4人で思い出を作ろうよ?」
「4人?」
もしかして……。
「峰岸のことも誘って、同意を得たよ」
嫌な予感、的中。
「あれ?峰岸が一緒だから嫌だとか?」
話が飛躍しすぎ。
たった数秒前に、峰岸を含めた4人で旅行だと知ったばかりなのに。
「意識してるとか?」
「はぁ?」
「俺と彼女がラブラブだから当然、峰岸と沙奈がペアになるわけだし。2人きりは緊張するのかなぁ」
おちゃらけたように言うタキは絶対に私をからかっている。
「緊張するわけないよ」
「本当?」
「なんとも思ってないし」
「それを証明するために、旅行に来てよ?」
……。
「分かった。行く」
はぁ、結局はこのパターンだ。