世界で一番似ている赤色
高校が始まって1週間ほどたったころ。
リーダータイプの男女主催で、クラス親睦会が開かれることになった。
『カラオケがいいんじゃない?』
『いーねー楽しそう! 参加する人ー!』
カラオケが苦手なわたしはそそくさと帰ろうとしたが。
『綾も行こうよ』と大和くんに止められた。
『えー。わたし歌うの苦手で……』
『いーじゃん。俺も行くし』
いやいや大和くんが一緒だからって、わたしは安心できないよ!
断る理由を考えているうちに、『綾ちゃんも参加だって』『わーい! 行こう!』と勝手にメンバーに入れられた。
歌っている時間は拷問だったものの、大和くんがわたしに話を振ってくれて、クラスメイトと仲を深めることができた。
大和くんは、なんだかんだ言ってわたしの幼なじみでもある。
気心知れた仲でもあるため、コミュ力が低いわたしの保護者みたいな感じでいてくれる。
もちろん変な噂は立てられるものの、彼とはいい友達関係を築いていた。