世界で一番似ている赤色
実は一部の女子に朱里ちゃんはこう言われていた。
恋愛にしか興味がない、彼氏の話ばかりでうざい、メイク濃すぎキモイ、とか。
1回だけ、彼女は寂しそうな顔で相談してきた。
好きなことしてるだけなのに、どうして悪く言われなきゃいけないんだろうって。
『朱里ちゃんは朱里ちゃんらしくいればいいよ。わたしは朱里ちゃんと恋バナやおしゃれの話するの楽しいもん』
そう伝えると、彼女は『綾ちゃん大好き!』と抱きついてきた。
わたしは今、不思議な縁のある大和くんと、親友の朱里ちゃんとともに笑って高校生活をすごしている。
優にぃも遠い国で元気にやっているのかなぁ。
通信制の高校らしいし、時々帰国しているのかなぁ。
……って思い出したらダメだ。
もう会うことはない。
わたしは優にぃと離れ離れのまま、これからを生きていくんだ。