世界で一番似ている赤色


電車が大和くん最寄りの駅へと到着した。


かつてわたしも住んでいた街だ。


大和くんにいじめられたこと、家族がバラバラになったこと、中学の時嫌な思いをしたこと、いろんな思い出がつまっている。


今、大和くんが何を言いたいのかよく分からないけれど、彼は彼なりにずっとわたしを気にかけてくれる。


小さい頃、いじめられていた時は大っ嫌いだったけれど、今では友達として好きという、不思議な縁。



ドアが開き、慌てた様子で彼はカバンを手にした。



「あー俺、何言ってるかよく分かんねぇ。とりあえず何でも相談して。朱里ちゃんはクラス違うし、すぐ言えないこともあるでしょ?」



とりあえず彼がとんでもなく不器用であることは分かっている。



「ありがとう。後でラインする!」



そう声をかけバイバイしたものの、ラインで相談したところで絵文字だらけの真面目な文章が返ってきそうで1人笑った。


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