世界で一番似ている赤色
3
☆
あっという間に川瀬くんとの1ヶ月記念日になった。
夢の国に行こうと思ったが、天気予報が雨だったため、大型ショッピングモールでデートすることに。
「なんかゴメンね。本当は日にちずらせればいいんだけど、しばらく部活で土日遊べないから」
「いいよいいよ。ここも超広くてすごいじゃん!」
「俺、中学の頃からよく来てるんだよね」
「そうなんだ。いい店ある?」
ここは3つの広い建物でできたショッピングモール。映画館や大型電気店もあり、1日いても飽きないところ。
若者から家族連れまでたくさんの人でにぎわっている。
本当は優にぃと何度か来たことはあった。でも、初めてというふりをしておいた。
「綾ちゃん、1ヶ月記念に何かおそろいの買おうよ」
「え。恥ずかしいよ!」
指輪がいいかな~、とつぶやきながら川瀬くんはお店に入っていく。
なんとなく彼の後ろは追わず、わたしはシュシュを物色することにした。
私服の川瀬くんは、お金がかかっていそうな格好はしているものの、全体のバランスがイマイチで、制服の方がかっこいいなと思った。
逆に、彼は待ち合わせの時、「今日、綾ちゃんかわいい。や、いつもかわいいけど、いつも以上に」と言って、顔を赤くした。
テンションの違いに、朝から気まずさを感じてしまった。