世界で一番似ている赤色
仕方なく、呼吸をととのえ、落ち着こうとしたが。
「なんで?」
次ははっきりとした口調で、わたしに尋ねた。
「え、その、優しいし、かっこいいし」
「そうかなぁ?」
「あと……苦しい時、そばにいてほしいって思う。逆に、優が苦しい時はそばにいてあげたくなる」
改めて口にすると恥ずかしい。
上手く伝えられているだろうか。
心配で胸をドキドキさせていると、優にぃは手を伸ばしてきた。
前より短くなった髪の毛が優しく撫でられた。
「それだけ?」
「わたしのこと子ども扱いするくせに、たまに子どもっぽいことしてくること。むかつくけど、かわいくて好き」
そう伝えると、彼は照れた時の笑顔を浮かべた。
でも、すぐ真顔に戻し、
「ほかには?」と聞いてきた。
わたしだって負けられない。
こうなったらいっぱい伝えてやる。わたしが優にぃをどれだけ必要としているかを。